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柳澤 華代; 松枝 誠; 古川 真*; 石庭 寛子*; 和田 敏裕*; 平田 岳史*; 高貝 慶隆*
Analyst, 148(18), p.4291 - 4299, 2023/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Analytical)固体表面の定量マッピングが可能なオンライン同位体希釈レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析法(オンラインLA-ICP-IDMS)を開発した。LAで生成された試料エアロゾルは、独自開発したサイクロン式スプレーチャンバーを介して、同位体濃縮液のミストとオンラインで混合され、ICP-MSへと導入される。その後、同位体比の計算などを通じて各スポットにおける定量イメージング像を作成した。モデル元素としてFeとSrを選択し、オンライン同位体希釈に基づく定量によって認証標準物質を定量したところ、認証値と定量値の結果は良好であった。本法を生体硬組織に適用し、電子プローブマイクロアナライザーのデータと比較した結果、鉄とSrのような微量元素の定量に有効であることを確認した。
浅井 志保; 半澤 有希子; 今田 未来; 鈴木 大輔; 間柄 正明; 木村 貴海; 石原 量*; 斎藤 恭一*; 山田 伸介*; 廣田 英幸*
Talanta, 185, p.98 - 105, 2018/08
被引用回数:8 パーセンタイル:31.52(Chemistry, Analytical)放射性廃棄物処分場における長寿命核分裂生成物(LLFP)の被ばくリスクを評価するためには、LLFPの分析が不可欠である。本研究では、マイクロ陰イオン交換カートリッジ(TEDAカートリッジ)を用い使用済燃料溶解液からZrを分離してLLFPの一つであるZrの存在量をICP-MSで定量した。TEDAカートリッジは、同等の分離に必要な従来分離材料(陰イオン交換樹脂)の1/10以下の体積(0.08cm)であっても優れたZr分離性能を維持し、使用済燃料中のほぼ全ての共存元素を迅速に除去できることを確認した。また、従来材料の約10倍の流速で処理が可能であるため、1.2分で分離が完了した。得られたZr定量値は、実測値による検証実績がなかった燃焼計算コードORIGEN2の正しさを実証する結果となり、ORIGEN2の信頼性も確認できた。
今田 未来; 浅井 志保; 半澤 有希子; 間柄 正明
JAEA-Technology 2015-054, 22 Pages, 2016/03
ICP-MSを用いた同位体希釈質量分析法(IDMS)により、使用済燃料や高レベル放射性廃棄物中に存在する長寿命核種Zr-93を定量するためのスパイクとする標準液を、Zr-91濃縮安定同位体標準(以下、Zr-91標準)を金属の状態で入手し溶解して調製することとした。Zr-91標準を溶解する前に、模擬金属Zr試料を用いて溶解条件を検討した。最適な条件であった3v/v% HF-1 M HNO混合溶媒0.2mLによってZr-91標準2mgを溶解し、1M HNOを用いて希釈して濃度を約1000g/gとした。市販のZr元素標準液をスパイクとして、ICP-MSを用いたIDMSによりZr-91標準溶解液の濃度を(9.61.0)10g/gと決定した。定量結果が予測したZr濃度と一致したことから、Zr-91標準溶解液は化学的に安定な状態で存在していること、及びZr-91標準溶解液中の不純物測定結果から不純物の有意な混入がないことを確認した。これらの結果から、調製したZr-91標準溶解液は、Zr-93分析用の濃縮安定同位体標準液として十分な品質を有していることが示された。
森井 幸生; 小池 良浩; 五十嵐 武*; 久保田 実*; 鰭崎 有*; 谷田 広士*
Physica B; Condensed Matter, 284-288(Part2), p.2014 - 2015, 2000/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Physics, Condensed Matter)中性子散乱研究用液体ヘリウムフリー希釈冷凍機「mKクライオクーラー」を開発した。この冷凍機は4Kステージにパルス管冷凍機を、mKステージにジュールトムソン型稀釈冷凍機を採用して構成されている。中性子散乱実験で得られた最低温度は41mKであった。自動冷却操作が開発されつつある。この希釈冷凍機により、移動性良く、簡単な操作で、経費も低く、運転が安定して、中性子ビームロスのない中性子散乱実験が誰にでも可能になると期待される。
稲田 聡; 佐藤 宗一; 庄司 和弘; 池田 久; 実方 秀*; 沼田 光央*
JNC TN8410 2000-022, 55 Pages, 2000/05
垂直照射型蛍光X線分析装置の導入に伴い、ウラン・プルトニウム濃度分析検討を実施した。本装置は、測定部がグローブボックス内に設置され、試料の下部からX線を照射するタイプである。基本条件の検討を実施した。測定に必要な試料量は、容器の形状及び検出効率から3mLとした。励起エネルギーの最適化を図ったところ、繰り返し精度とフィラメントへの負荷を考慮してウラン、プルトニウムともに50kV-30mAと設定した。測定時間については、安定した測定結果が得られた60秒とし、1回の測定は60秒2回(合計120秒)の測定を実施し、その平均を測定結果とすることとした。水相中のウラン、プルトニウム混合試料の測定は、マトリクス効果の補正を行うことで誤差4%以内で正確に測定できることを確認した。また、単体試料測定における検出限界値はウランが0.4mg/L、プルトニウムが6.7mg/Lと計算された。定量上限濃度は、蛍光X線分析装置にて分析するために調製した後の測定試料においてウラン、プルトニウムともに9g/Lとした。有機相中のプルトニウム濃度分析は、標準添加を行う希釈法及び試料を直接測定する直接法について検討した。両方ともに良好な結果を示し、検出限界値はそれぞれ、5.3mg/L,0.2mg/Lであった。ただし、直接法においては標準溶液の調製方法に問題が残り、今後の検討課題とした。
小池 良浩; 森井 幸生
放射線化学, (68), p.22 - 25, 1999/00
1K以下の実験には通常希釈冷凍機が用いられるが、市販の希釈冷凍機は、これを運転するための低温雰囲気(4.2K)をつくるのに大量の液体ヘリウムが必要があり、そのために取り扱いが困難である。そこでより簡単にmK域の温度が得られるようにするために、4KのハイブリッドクライオクーラーとJT予冷希釈冷凍機の組み合わせで液体ヘリウムなしで50mKの温度を実現した。
小池 良浩*; 森井 幸生; 五十嵐 武*; 久保田 実*; 鰭崎 有*; 谷田 広司*
Proc. of Int. Cryogenic Engineering Conf. 1998 (ICEC17), p.263 - 266, 1998/00
我々は超低温における中性子散乱実験を誰もが簡単に行えるようにするため、パルス管・GMハイブリッド型冷凍機とジュールトムソン型希釈冷凍機を組合わせた、液体ヘリウム寒剤を使用しない超低温用冷凍機``mK Cryocooler''の開発を行っている。現在、試作機が完成し中性子ビーム中で約40mKの温度が得られている。この成功により、操作の簡便化、コスト低減化、中性子ビーム利用効率化を達成する見込みをつけた。冷却テストの結果、室温から4.2Kまでの予冷時間の結果で希釈冷凍機部分の予冷に約一日、その後8時間程度で液化が終了、約70mKに到達した。熱交換ガスとしてHを用いた。交換ガスは排気していない。この冷却テスト時のcooling powerは100mKで約22Wであった。Heの循環量は10mol/sec程度であった。
Hunter
PNC TN9410 97-057, 106 Pages, 1997/05
本研究の目的は、高速炉におけるPu同位体組成比(Puベクター)変化の炉心特性に与える影響を調べ、そしてそれに対応する方策を検討し、最終的には、同一炉心において色々なPuベクターの燃料を燃焼できる最適炉心を構築することにある。本研究では、PWRでのMOX燃料照射によって得られたPuベクターを持つPu燃料を燃焼するために最適化された600MWeクラス高速炉炉心をベースとした。このレファレンスPuベクターに加えて、2つの極端なPuベクター(高フィッサイルPu:解体核Pu、劣化Pu:多重リサイクルPu)の場合について解析評価した。Puベクターの変化に対して、燃料体積比の調整(幾つかの燃料ピンを希釈ピンで置き換えたり、燃料ピン径を変更する方策)により対応できることが分かった。希釈材として、ZrHを使用した場合、炉心性能が大幅に改善されることが分かった。ただ、劣化Puにたいしては、燃料体積比を大幅に増加させることに加えて、制御棒ワースのマージンを確保するために、制御棒本数の増加が必要となることが分かった。今回の検討により、燃料ピン径の増大や制御棒本数の増加により、ラッパー管サイズを変更せずに、1つの炉心で幅広いPuベクターを持つ燃料を燃焼できる炉心概念を構築することができた。これにより、高速炉のPu燃焼における柔軟性を示すことができた。
野村 和則; 渡部 雅之*; 佐野 雄一*; 小山 智造; 根本 慎一*; 小沢 正基*; 岡本 文敏
PNC TN8410 96-206, 33 Pages, 1996/07
本試験では,DC18C6による硝酸酸性系でのSrの抽出に関して,抽出及び逆抽出時間の測定ならびにSrの分配に対する温度依存性の評価を行った。また,DC18C6-Sr錯体構造についてNMRスペクトルの測定を行った。さらに,新たに入手した数種のクラウン化合物を用いた分配基礎試験を実施,硝酸酸性系での抽出剤としての可能性を調べた。以下に,本試験結果の主な概要を示す。・DC18C6-CH2Cl2-硝酸系におけるSrの抽出及び逆抽出とも,その反応は速やかに行われるものとみなせる。・DC18C6-CH2Cl2-硝酸系におけるSrの抽出反応は,反応全体としては発熱反応であり,温度が低い方が抽出に有利である。・DC18C6-Sr錯体のNMRスペクトルを測定し,1つのSrに対して一分子のDC18C6が配位していることが補完できた。・新たに入手したクラウン化合物のうち,C15C5がAgに対して抽出能を示した。以上の結果から,大環状化合物のうちクラウン化合物に属するDC18C6によるSrの抽出機構について,さらに詳細な評価を行うことができ,硝酸酸性系で使用する抽出剤として優れた性質を有することを明かとした。このことは,硝酸環境におけるクラウン化合物の核種分離試薬としての可能性をさらに進めたものであると評価ができる。また,今回新たに調査したクラウン化合物のうち,C15C5によりAgを硝酸溶液系から抽出できることがわかり,新抽出剤としての可能性がさらに広がった。
近藤 康雄; 松村 昌明*; 久保田 益充
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 177(2), p.311 - 320, 1994/00
被引用回数:7 パーセンタイル:56.56(Chemistry, Analytical)模擬高レベル廃液の硝酸濃度を脱硝または単純な希釈により2Mから約0.5Mに低下させた時の、沈殿を含んだ模擬高レベル廃液中での酸性度変化及び沈殿生成挙動を調べた。模擬廃液中に沈殿が含まれていても、沈殿が含まれていない場合と同様に、脱硝又は希釈により酸性度調整を行うことが可能であった。脱硝時のZr,Mo及びTeの沈殿率は、脱硝前に模擬廃液中に既に含まれていた沈殿の量が増大するにつれて減少した。また、希釈溶液中の沈殿生成量も希釈前に模擬廃液中に既に含まれていた沈殿の量が増大するにつれて減少した。更に、超ウラン元素抽出のための模擬高レベル廃液の調質方法について2つのフローシートを提案した。一つは脱硝による方法であり、もう一つは希釈による方法である。
黒沢 明; 阿部 勝男; 神長 一博; 久野 祐輔; 鎌田 正行; 舛井 仁一
PNC TN8410 93-031, 191 Pages, 1993/03
再処理工場入量計量槽の保障措置として、現在、国およびIAEAによる試料の収去が行なわれているが、収去試料の輸送に当って、1バッチ当り、A型輸送容器一つを必要とするのが現状である。このような輸送問題を軽減するため、極微量の試料(ウラン・プルトニウム各数mg)で分析可能なレジンビード法が米国オークリッジ国立研究所を中心に開発された。この技術はTASTEX時代に導入され、その後JASPASの一つの開発項目として動燃事業団が主体となり、IAEAとの共同研究を続けているものである。これまで7回の共同実験が実施され、技術的にもある水準に達したと思われるが、また同時にレジンビード技術の難点も明らかになった。これらの共同実験では、動燃が試料の調整・輸送を担当し、IAEA側で分析するという形態をとっているが、これとは別に事業団としてレジンビード測定技術の検討も実施してきた。レジンビード技術は上記のように輸送上のメリットが最もクローズアップされているが、測定面においてもウラン・プルトニウムを分離することなく測定できるという利点もあり、施設側での分析法として開発・検討を進める必要があった。本報では、レジンビード法によるウラン・プルトニウムの測定技術について検討結果を報告するとともに、第3回から第7回まで行なわれたPNC-IAEA間共同実験結果についても合わせて報告する。
嶋田 道也; 逆井 章; 芳野 隆治; 鎌田 裕; 久保 博孝; 杉江 達夫; 辻 俊二; 中村 博雄; 根本 正博; 小出 芳彦; et al.
Journal of Nuclear Materials, 196-198, p.164 - 167, 1992/00
被引用回数:11 パーセンタイル:70.36(Materials Science, Multidisciplinary)JT-60Uにおいては壁調整/洗浄の方法としてTDC、ヘリウムグロー。低密度放電、ディスラプティブ放電等を用いている。また壁温300Cまでのベーキングが可能である。これまでに以下のことが明らかになった。(1)40時間のDTDCによって酸素不純物は半減した。(2)ヘリウムグロー放電導入によって酸素不純物は半減した。(3)ベーキング温度を300Cから150Cに低下させると酸素及び炭素不純物が1/4~1/3に低減した。(4)1時間のヘリウムグローによってダイバータ板の粒子リサイクリングが半減した。(5)水素による重水素希釈率H/H+Dは重水素TDCを1時間行うことにより0.6から0.3に半減し、500ショットの重水素放電の後0.1-0.2に落ちついた。
若松 幸雄; 佐藤 真人; 久保 伸夫; 桜井 聡; 阿見 則男
JAERI-M 90-161, 41 Pages, 1990/09
再処理抽出工程における共除染工程の異常過渡特性を研究するため、抽出及び洗浄塔から成る小型パルスカラム抽出装置(有効抽出部:252260mH2塔)を製作した。また付帯設備として、抽出実験の後で発生する低濃度のウラン水溶液を再使用するためにウラン水溶液濃縮装置も製作した。ここでは、各々の装置製作に当たっての設計上の留意事項、設計製作仕様を述べると共に、異常過渡特性実験を行う必要な装置の運転方法を述べる。特に、運転操作方法については、ウラン抽出実験はもとより、実験に用いる給液調整、実験後の溶液の処理(逆抽出、希釈剤洗浄、アルカリ洗浄、ウラン水溶液濃縮)についても述べた。
上薗 裕史; 佐川 民雄; 田代 晋吾
Journal of Nuclear Science and Technology, 26(8), p.811 - 813, 1989/08
高レベル廃棄物ガラス固化体の低流速浸出試験では、ガラス固化体の表面積を高めるために、1つの浸出容器に約50枚の板状試料を並べて設置する場合がある。そのような浸出容器の中でも浸出液の均一性が保たれているか実験的に検討した。約10g/cmの濃度のモリブデン溶液をあらかじめ浸出容器の中に注入し、その中に徐々に脱イオン水を送り込んで、排出されるモリブデン溶液の濃度低下の時間変化を観察した。その結果、モリブデン溶液の濃度低下は、浸出容器内で均一な混合が起こっていると仮定した理論式で説明できることを確認した。さらに、均一な混合を達成する一条件として、浸出液中の元素の拡散速度が重要な役割りを持つことを指摘した。
渡部 和男; 大内 操
分析化学, 36(7), p.T77 - T80, 1987/07
質量分析法による硫黄の同位体比測定のため、硫酸塩硫黄から二酸化硫黄の簡便な調整法を確立した。硫黄を硫酸ペリミジニルアンモニウムの沈澱として回収した後、真空中、450Cに5分間加熱して熱分解し二酸化硫黄を得た。確率した方法を鉄鋼に含まれる硫黄の同位体希釈定量に応用した。実際試料では、硫酸ペリミジニルアンモニウムの生成に先立ち主成分の鉄などを除去する必要があることが分かった。本法の精度は、硫黄含有率が(0.0014~0.019)%の試料に対して相対標準偏差で5%以内であった。
安達 武雄; K.Kammerichs*; L.Koch*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, Letters, 117(4), p.233 - 241, 1987/04
使用済燃料中のNpを精度良く定量するため、Npをスパイクとして用いた同位体希釈放射化学的定量法を確立した。使用済燃料中にはAmの娘核種であるNpが存在しており、これをスパイクとして用いた。NpをTTA(テノイル-トリフルオロアセトン)溶媒抽出法を用いてU,Pu,Am,Fpから分離後NpとNpに放射能比を線スペクトロメトリで同時に測定する。別に求めたAm濃度とこの放射能比からNp量を求める。使用済LWR燃料中のNp分析に適用した。
渡部 和男
Talanta, 31(4), p.311 - 314, 1984/00
被引用回数:5 パーセンタイル:30.5(Chemistry, Analytical)同位体希釈質量分析法を用い鉄鋼標準試料中の硫黄を定量した。試料の溶解にはビーカー溶解法を用いれば、ほとんど全試料について含まれる硫黄を完全に硫酸塩にすることができることを確認した。同位体希釈法の結果は、BCSの保証値およびNBS,JSSについては最近の、または改正された保証値と良く一致した。チップ試料表面近傍の硫黄濃度は、平均硫黄含量より極端に高いことが分かった。また、ほとんどの、鉄鋼試料上には単体硫黄が存在することが分かった。この単体硫黄量の全硫黄含量に対する割合は、試料のマンガン含量と相関関係にある。
渡部 和男
Analytica Chimica Acta, 147, p.417 - 421, 1983/00
被引用回数:11 パーセンタイル:64.37(Chemistry, Analytical)微量硫黄を同位体希釈質量分析法で正確に定量するために二酸化硫黄の調整法を改良した。すなわち硫黄を硫化銀としたのち、純酸素中で燃焼し二酸化硫黄とした。その結果40gの硫黄の同位体化測定が誤差0.2%(1)以下で可能となった。全操作による硫黄のブランクは0.240.015gであった。この方法により銅,鉄,スズ,チタン,ジルコニウム,ジルカロイ,低合金鋼,標準岩石試料中の硫黄を定量した。
渡部 和男
分析化学, 30, p.T103 - T105, 1981/00
鉄鋼中の硫黄の定量には,迅速かつ高精度の燃焼法が一般に用いられているが,その定量値の正確さは校正に用いる標準試料に大きく依存する。そのため硫酸バリウム重量法は依然として基準法として重要視されているが,低含量(0.01%以下)の試料に適用するのは困難である。微量硫黄にも適用できる還元蒸留-吸光光度法が新しくJISに採用されることになった。後二者とも,硫黄を性格に定量するには,試料の溶解時に硫黄を完全に硫酸塩に酸化しなければならない。著者は先に耐熱合金中の硫黄の定量に同位体希釈質量分析法(ID-MS)を適用し,微量領域の硫黄も正確かつ精度良く定量できることを報告した。IDMSにおいても,試料の溶解時に硫黄を完全に硫酸塩として捕そくしなければならない。しかしこの方法には,試料中の硫黄が完全に硫酸塩となり,硫酸塩硫黄スパイクと完全に混合され,同位体平衡となれば,後の操作は必ずしも定量的である必要がなく,又感度も高い利点がある。従ってIDMSは試料溶解時における硫黄の酸化条件を検討するには最適な方法の一つであると考えられる。先に著者は,炭素鋼の溶解時に臭素を加えると硫黄の酸化に効果的であることを確認した。しかし鋼の中には,臭素を加えても一部の硫黄が揮散し,低い定量値を与えるものがあることが分かった。気体硫黄化合物を完全に捕そくすることは,溶解装置も複雑となり,空試験値の制御も難しい。そこで試料を高温,高圧の密閉系の下に溶解する封管溶解法を適用し,硫黄を完全に硫酸塩として捕そくする方法を検討したので報告する。
高野 秀機; 石黒 幸雄; 松井 泰*
JAERI 1267, 42 Pages, 1980/09
TIMS-1コードは無限希釈断面積と自己遮蔽因子を計算する。自己遮蔽因子は温度、実効ポテンシャル散乱断面積と2共鳴核種の原子数比の関数として計算される。特にコードはENDF/B又はJENDの評価済み核データ、ファイルを入力データとして使用するように設計してる。非分離共鳴領域においては、モンテカルロ法を用いてポーター、トーマスとウィングナー分布に従って共鳴パラメータとレベル間隔を発生させる。これらの共鳴パラメータと分離パラメータを用いて、約10~10の極詳細レサージ、メッシュでドップラー断面積を計算する。中性子の減速源に対する漸化式を用いて減速方程式を解き実効断面積を計算する。計算方法はJFS又SRACライブラリー形式で出力される。